微信がメッセンジャーアプリからキャッシュレス決済の雄になれた訳

中国のキャッシュレス社会において、支付宝に匹敵するシェアを誇るのが微信支付です。

微信(WeChat)はもともと、LINEのようなメッセンジャーアプリとして、中国で大きなシェアを獲得していましたが、2013年に微信支付がスタートして以来、割引や配車サービスとの連携などさまざまな施策を駆使して、決済サービスとしてのシェアも急激に伸ばしました。

中国では、それまでも銀行カード(银联)のデビッド機能がキャッシュレス決済に使われていましたが、読み取り端末を設置する予算のない店舗でも導入できる店側のメリットと、スマホがあればカードを持ち歩かなくて済むユーザー側のメリットを考えると、支付宝や微信支付のようなスマホアプリによる決済に取って代わられたのは、自明の理と言えるのではないでしょうか。

ちなみに、微信支付がサービスを開始したばかりのころに流行したのが、红包という機能です。「特定の個人に指定した金額を送金する」以外に、「グループチャット内のユーザーにランダムにお金を送金する」といったこともできるため、春節などのお祝い事にちなんでお年玉のようなやりとりが頻繁に行われていました。

このやりとりに参加するにはもちろん、アプリのウォレット機能を使わないといけないので、必然的に微信支付のユーザーが増えるという仕組み。このあたりは、やはり上手いなあと感心します。

アプリを提供しているテンセント(腾讯)の発表によると、微信はの月間アクティブユーザー数は、2019年3月31日時点で11億(アカウント)を超えています。

現在では、メッセンジャー機能やキャッシュレス決済以外にも、さまざまな機能を備えているので、そのあたりは、また改めてご紹介します。

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